最初に結論を言います。旅行ではクレカ(クレジットカード)を利用しましょう。
旅先でもスマートフォン1つで支払いができるスマホ決済の方が、クレカよりも便利に思う人も多いのではないでしょうか?
著者であるわたしは、47都道府県を巡り、海外への渡航経験も多数あります。しかし旅行中にスマホ決済ができずに、苦労した経験も少なくありません。
そこで今回は、わたしの失敗談を交えながら「旅行中はクレカで支払うべき」である理由を説明します。
これから旅行を計画している人は、ぜひ参考にしてください。
【クレジットカードがよい理由1】スマホ決済は旅行先でのスマートフォンの状態に依存する

スマホ決済は、現金やクレカがなくとも、スマートフォン1台あれば、支払いは完結できます。
しかし支払いの際に、スマートフォンがバッテリー切れになっていれば、スマホ決済は利用できません。
スマートフォンが高温になれば、内部のセーフティ機能によって電源が自動的に切れてしまい、内部の温度が下がるまで、電源は切れたままの状態が続きます。夏の日中に長時間スマートフォンを車中や直射日光に当たる場所に置いていたため、電源が入らなくなり、スマホ決済ができなかった苦い思い出があります。
旅行先でのスマートフォンの状態によって、スマホ決済が利用できなくなることがありますが、そのような心配はクレカにはいりません。
【クレジットカードがよい理由2】スマホ決済には、旅行に便利な付帯サービスが少ない

多くのクレカには、以下のような、旅行に便利なサービスが備わっています。
- 海外旅行保険:
医療費が高額になる海外旅行中の病気やケガでも、治療費を保障してくれる - ショッピング保険:
購入した高額商品が破損や紛失・盗難にあった場合に、購入費用を保障してくれる - 空港ラウンジ(主にゴールドカードやプラチナカードに付帯):
飛行機の搭乗やバスなどに乗り換えるまでの時間を、ドリンクが提供され、スマートフォンのWi-Fiや充電も利用できる空港内の専用ラウンジが無料で利用できる - コンシェルジュサービス(主にプラチナカードに付帯):
コンシェルジュ・スタッフが以下の情報を調べたうえで提案し、ユーザーの同意があれば予約までしてくれるため、土地勘のない場所に行く場合には便利なサービス- 旅先のホテルやレストラン
- 飛行機などの交通手段
- コンサートや舞台、スポーツ観戦のチケット
しかし、ほとんどのスマホ決済には、このようなクレカでは付帯しているサービスは備わっていません。
わたしは旅行中に、空港ラウンジやコンシェルジュサービスを利用することが多いので、クレカは必ず旅行に持って行くようにしています。
その一方でスマホ決済には、個人間の送金が可能なサービスもあるため、旅先で費用を割り勘にする場合には便利なこともあります。しかし一人旅の場合には、そのサービスを使うことはないでしょう。
【クレジットカードがよい理由3】スマホ決済での利用分の支払い方法は選べないことが多い

クレカを使って商品を購入した場合には、以下のように、さまざまな支払方法があります。
- 一括払い
- 分割払い
- ボーナス払い
- リボ払い
しかしスマホ決済での支払いは、基本的に一括払いのみになります。スマホ決済をクレカに連携すれば、スマホ決済での利用分をリボ払いにできる場合もあります。
その場合でも、利用内容ごとに支払い方法を、細かく分けることは通常できません。つまり旅先で使った費用を、以下のように分けることはできないのです。
- 旅先で購入した高額商品(時計やアクセサリー)
→ リボ払い - 飛行機代
→ ボーナス払い - それ以外の費用
→ 一括払い、など
【クレジットカードがよい理由4】スマホ決済には海外旅行で利用できないものもある

スマホ決済には、以下のように、さまざまな種類があります。そのなかには海外で利用できないサービスもあるので注意しましょう。
- QRコード決済
- PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルペイ、d払いなど
- この決済方法は、以下の2つの方式がある
- ストアスキャン方式:
スマートフォンにインストールしたアプリから、ユーザー側でQRコードなどを表示させて、店舗に読み取ってもらい決済する方法 - ユーザースキャン方式:
店舗側で用意しているQRコードなどを、自分のスマホアプリで読み取って決済する方式
- ストアスキャン方式:
- 非接触型決済(非接触IC決済)
- Apple Pay、Google Pay、Suicaなど交通系電子マネー決済、楽天Edyなど
- スマートフォン本体に搭載された無線通信を利用した決済方式。スマホアプリにクレカや電子マネーなどを登録しておき、支払いの際にスマートフォンを店舗側の専用端末にかざして決済する。
上記のうち国内で利用できるQR決済のほとんどは、海外では利用できません。これは読み取る対象になるQRコードの規格が異なるからです。QRコード規格を統一して、海外でも使えるようにする検討がなされていますが、実現には時間がかかるようです。
これに対して非接触型決済では、Apple Pay、Google Payなど海外でも利用できるスマホ決済があります。一方で、この決済方式のなかでも、Suicaなど交通系電子マネー決済、楽天Edyなどは海外では使えません。前者と後者では、決裁を行うための通信規格が異なるためです。前者はNFC Type A/B規格という海外で広く普及している通信規格を採用し、後者はFeliCa(NFC Type-F)という日本独自の通信規格を用いています。このためNFC Type A/B規格を採用しているApple Pay、Google Payなどの一部を除き、海外ではスマホ決済は使えません。

以前デザインのよい名刺入れを、海外の百貨店で見つけて購入しようとしましたが、利用していたスマホ決済が使えませんでした。翌日その百貨店にクレカを持って再度行ったところ、すでに購入されていたために、その名刺入れを手に入れることができませんでした。
そんな悔しい思い出があります。
このようなことにならないように自分が使っているスマホ決済が海外でも利用可能かを調べておきましょう。その一方で海外で利用できる店舗の多いVisaかMastercardのクレカを持っていれば、このような失敗をすることもなかったでしょう。
旅行ではクレジットカードが、スマホ決済よりおすすめ


普段使いであれば、スマホ決済の方がメリットは多いかもしれません。しかし旅先では、スマホ決済が利用できないことがあります。また支払いは、原則一括払いしか選べないスマホ決済も少なくありません。
一方のクレカには、さまざまな種類がありますが、そのクレカごとに多彩なサービスが備わっています。旅のスタイルによって、選ぶべきサービス、つまり選ぶべきクレカは変わるので自分に最適なカードを持つようにしましょう。
別記事で旅行に適したクレカの選び方を紹介しています。「どのクレカを選べばよいか」迷っている人はご覧ください。